2026年3月19日 9:00 am

前回の記事では、土地利用に関する物権である「地上権」を取り上げました。

 

地上権は、他人の土地を直接支配して利用できる「物権」です。

これに対して、実務で多く利用されている土地利用の権利が「賃借権」です。

 

今回は、地上権との違いに触れながら、賃借権について説明します。

 

地上権の記事の内容については、こちらをご覧ください。

「地上権」とは

 

■ 賃借権とは?

 

賃借権とは、賃料を支払って他人の物を使用・収益することができる権利です(民法601条)。

 

 

◆民法601条(賃借権)

賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。

 

つまり、

土地所有者(賃貸人)が土地を使わせる代わりに利用者(賃借人)が賃料を支払う契約

 

これが賃貸借契約です。

この契約によって生じる権利が賃借権です。

 

つまり

地上権=強い権利(物権)

賃借権=契約上の権利(債権)

 

という違いがあります。

 

 

■ 賃借権の成立

 

賃借権は、賃貸借契約を締結することで成立します。

 

地上権のように登記が必須というわけではなく、

基本的には

・契約書

・合意

によって成立します。

 

 

■ 土地賃借権の対抗要件

 

賃借権は債権なので、原則として第三者に対抗することができません。

 

しかし、土地賃借の場合には例外があります。

 

それが借地借家法です。

 

土地を借りて建物を所有している場合、建物の登記があれば第三者に対抗できます。

 

つまり、

・土地を借りて

・建物を建てて

・建物登記をしていれば

 

土地が第三者に売却されたとしても新しい所有者に対して「自分はこの土地を借りている」と主張することができます。

 

 

■ 賃借権の内容

 

賃借権には、次のような特徴があります。

 

①賃料の支払義務

 

賃借権は契約なので、賃料の支払いが基本です。

 

②譲渡・転貸には原則として承諾が必要

 

賃借権は

・譲渡(他人に権利を移す)

・転貸(又貸し)

をする場合、原則として賃貸人の承諾が必要です。

 

これが、地上権との大きな違いです。

 

③期間が定められる

 

賃貸借契約では通常、期間が定められます。

 

土地の場合は

・普通借地権

・定期借地権

 

など、法律によって期間のルールが定められています。

 

 

■ 賃借権が使われる場面

 

賃借権は、私たちの生活で身近な権利です。

 

例えば

・アパート・マンションの賃貸

・店舗のテナント契約

・駐車場

・事務所賃貸

・土地の借地

 

など、日常の多くの不動産利用が賃借権によって成り立っています。

 

 

■ まとめ

 

賃借権とは、賃料を支払って他人の物を使用・収益できる契約上の権利(債権)です。

 

地上権との最大の違いは、物権か、債権かという点です。

 

土地利用の方法によって

・地上権

・賃借権

を適切に使い分けることが重要になります。

 

 

 

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スタッフ 上村