2026年6月29日 9:00 am

「仲間と一緒に社会的な活動をかたちにしたい」

「個人ではなく、信頼される法人格で事業を進めたい」

そんなときに選ばれることが多いのが「一般社団法人」です。

 

一般社団法人は、営利企業とは少し違い、「人の集まり」に法人格を与える仕組みです。しかも、許認可なしで設立でき、事業内容の自由度も高いため、近年は業界団体・スクール運営・資格認定事業など幅広い分野で活用されています。

 

この記事では、一般社団法人の特徴や設立の流れまでをわかりやすく解説します。

 

 

非営利型法人ってどういう意味?

 

一般社団法人は「非営利法人」に分類されますが、ここでいう非営利とは「儲けてはいけない」という意味ではありません。正しくは、事業で得た利益を、出資者や設立者に配当として分配しないことを指します。株式会社であれば利益を株主に分配できますが、一般社団法人では利益を構成員に分け与えることはできず、次年度以降の活動のために使うのが原則です。

よって、セミナー開催、会費徴収、事業収入などで収益を上げることも可能です。

 

 

一般社団法人の主な特徴

 

一般社団法人には、設立・運営にあたって押さえておきたい特徴がいくつかあります。

 

①社員が2名以上必要

設立には「社員」が2名以上必要です。

②資本金が不要

株式会社のように資本金を用意する必要がありません。

③事業内容が自由

公益的な活動はもちろん、収益事業や共益的な活動まで、幅広い事業を行えます。

④役員の設置

理事を最低1名置く必要があります。理事会や監事を設置するかどうかは、法人の規模や運営方針に応じて選べます。

 

 

株式会社との違い

 

最大の違いは「利益の分配ができるかどうか」です。

株式会社は利益を株主に配当できますが、一般社団法人はできません。一方で設立費用は一般社団法人のほうが安く、株式会社が登録免許税だけで最低15万円かかるのに対し、一般社団法人は6万円で済みます。

 

 

一般財団法人との違い

 

一般財団法人は「財産の集まり」に法人格を与えるもので、設立には300万円以上の財産の拠出が必須です。一方、一般社団法人は「人の集まり」が出発点なので、財産の拠出は必要ありません。両者の法定費用は同程度ですが、財産要件の有無が大きく異なります。

 

 

設立の流れ

 

一般社団法人の設立は、おおまかに次の流れで進みます。

 

①社員を2名以上決める ※法人も社員になれます

②定款を作成する

③定款を公証役場で認証してもらう

④登記書類を作成する

⑤法務局へ登記を申請する

⑥設立後の諸手続きを行う

 

 

定款を作成するときの注意点

 

定款は、社員になろうとするもの(設立時社員)が作成し、全員が署名または記名押印する必要があります。また、絶対的記載事項が一つでも欠けると定款全体が無効になるので、次の7項目は必ず盛り込みます。

 

①目的

②名称(「一般社団法人」の文字を必ず含める)

③主たる事務所の所在地

④設立時社員の氏名・名称および住所

⑤社員の資格の得喪(加入・退社)に関する規定

⑥公告方法

⑦事業年度

 

注意点

⚠剰余金・残余財産の分配規定は書いても無効になります。

「社員に剰余金や残余財産を分配する権利を与える」という趣旨の定めは、たとえ書いても法律上効力を持ちません。一般社団法人には営利性がないからです。

⚠事業年度を定款に定める必要がある点も会社との違いです。株式会社では定款必須事項ではありませんが、一般社団法人では絶対的記載事項なので、必ず記載します。

⚠公告方法は以下のいずれかの方法を定款で定める必要があります。

・官報に掲載する方法

・時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

・電子公告

・一般社団法人の主たる事務所の公衆のみやすい場所に掲示する方法

 

 

一般社団法人の機関設計ルール

 

①一般社団法人に必須の機関

社員総会と理事

②大規模一般社団法人に必須の機関 ※「大規模法人」=負債総額が200億円以上の法人

会計監査人

③理事会を置く一般社団法人に必須の機関

監事

④会計監査人を置く一般社団法人に必須の機関

監事

 

⚠会計参与や監査役会は設置できません。

⚠監査の範囲を会計監査に限定することはできません。

 

 

どんな人・団体に向いているか

 

一般社団法人は、次のようなケースで力を発揮します。

 

業界団体・協会・同窓会など、会員制の共益的な組織を運営したい

資格認定やセミナー、検定などの事業を行いたい

社会貢献活動を、NPOよりも自由度高く進めたい

任意団体を法人化して、信用と継続性を高めたい

 

逆に、利益を出資者に還元したい事業や、1人で身軽に始めたい事業であれば、株式会社や合同会社のほうが適しているでしょう。

 

 

一般社団法人は、「人の集まりに法人格を与える」という性格を持ち、利益を分配しないことを条件に、自由度の高い活動を低コストで始められる法人形態です。目的にいちばん合った会社形態を選ぶことが、活動を長く続けていくための第一歩になります。

 

 

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スタッフ 上村