
以前のブログにて「数次相続」についてご紹介させていただきましたが、今回は、「代襲相続」に関してご紹介させていただきます。
よろしければ、数次相続に関してのブログもご覧ください。
■代襲相続とは?■
代襲相続とは、推定相続人である子又は兄弟姉妹に次の事があった場合に、その者の代襲者(直系卑属)がその者に代わって相続することを言います。
①相続の開始以前に相続人となるべき子供や兄弟姉妹が死亡した場合
②相続人に※欠格事由がある場合
(※欠格事由とは、被相続人や先順位・同順位の相続人を死亡させたり、被相続人に対する詐欺や
脅迫により、遺言を撤回、変更させたりするなど不正な行為をしたため法律上当然に相続資格を失うこと)
③相続人が※廃除されたため相続権を失った場合
(※廃除とは、被相続人に対する虐待その他の著しい非行を理由として、遺留分を有する推定相続人をその地位から除外すること。
著しい非行には、被相続人の家族に対する継続的な暴力なども含むとされています。)
◇代襲相続の主な趣旨◇
「本来相続人となるはずであったものが被相続人の財産を相続していれば、次世代の子らはこれをさらに相続によって取得することができたはず」
といった期待を保護することを目的とされています。
※相続の放棄は、代襲の原因とはならないので注意が必要です。
相続人である子の全員が相続放棄をした場合、孫以下の直系卑属は相続人とはならず、第2順位の直系尊属が相続人となります。
■代襲相続の種類と範囲■
代襲相続には、①「子」を被代襲者とするものと、②「兄弟姉妹」を被代襲者とするものとがあります。
下記の例を用いてご説明させていただきます。
①【「子」などの直系尊属が相続人の場合】
被相続人が令和3年1月15日に死亡しました。
この際の法定相続人は、夫、長女、長男の3人です。
しかし、長女は令和2年4月22日に亡くなっています。
この時、相続人となるのは、夫、長女の子供(孫)、長男の3人となります。
もし、長女の子供(孫)がすでに亡くなっていた場合には、孫の子供(曾孫)がさらに代襲して相続することとなり、相続人は、夫、曾孫、長男の3人となります。
これを再代襲相続といいます。
②【「兄弟姉妹」が相続人の場合】
被相続人が、令和4年1月20日に死亡しました。
被相続人は独身で子供もいなかったため、第2順位の両親が相続人となりますが
両親は既に亡くなっているため、第3順位の兄弟へ相続されることとなります。
しかし、長女も既に亡くなっています。
この時、相続人となるのは、長女の子供(甥や姪)、二男、二女の3人となります。
もし、長女の子供(甥や姪)がすでに亡くなっていた場合ですが、兄弟相続の場合は甥や姪の子供へと相続権が移ることはありません。
相続の手続きを進めるにあたり、まずは正しい相続人を確定させることが最も重要となります。
しかし、代襲相続が発生した場合、相続人同士の関係が複雑となり、誰が相続人なのかという判断が難しくなってしまう場合もございます。
「相続人はこの人で正しい!」と思い込み、相続手続きを終了させた後に、見落としてしまっていた相続人がいた場合は、手続きを1からやり直さなくてはいけない恐れもございます。
当事務所では、ご依頼をいただきましたら、戸籍謄本等を確認し、正確な相続人を把握させていただき、誤りがないようお手続きをさせていただきます。
相続に関しましてなにかご不明点等がございましたらお気軽にご相談ください。
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スタッフ 丹羽