2024年8月23日 9:00 am

 

地役権とは、設定行為で定めた目的に従って、自己の土地の便益のために他人の土地を利用する物権の事を指します。(民法280条)

例えば、甲土地を所有するAが公道に出るために、Bが所有している乙土地を通行する事で、公道に早く出られる等の際にはAとBとの間で“地役権設定契約”を結び、

「Aが公道に出入りする際には、乙土地を通行しても良い」旨の地役権を設定することができます(通行地役権)。

そして、地役権によって便益を受ける土地(A所有の甲土地)を要役地、

便益に供される土地(B所有の乙土地)を承役地と言います。

 

■通行地役権の取得方法■

 

➀当事者の合意により設定する。

・通行できる範囲(承役地の一筆全体、もしくは一部分に設定することができる。)

・通行による対価料金(有償、無償のいずれでもよい。)

・通行が有効な期限(永久とする定めをすることも可能。)

等に関して、当事者で設定します。

設定した内容に関しては、契約書を結び、後々トラブルにならないようにすることが大切です。

 

②法務局に地役権設定の登記申請を行う。

地役権の設定は、登記をしなければ第三者に対抗することができない(民法177条)とされているため、合意や契約を結んだ場合は速やかに申請手続きを行いましょう。

 

 

■申請時の必要書類■

 

地役権設定登記に必要となる書類は下記の通りです。

・登記原因証明情報(「地役権設定契約書」:通行地役権に関して合意をまとめた契約書等)

・設定する土地(承役地)の権利証、登記識別情報

・承役地所有者(設定される者)の印鑑証明書(3ヵ月以内のもの)

・地役権図面(承役地の一部に設定する場合)

・委任状(司法書士に依頼する場合)

 

 

■登録免許税■

 

承役地1筆に対して1500円。

 

 

■要役地に供される便益の種類■

 

要役地に供される便益の種類・内容は、原則自由とされています。

実際の地役権の例としては、上記の通行地役権の他に

・水を引くために承役地を利用する(引水地役権)

・要役地からの眺望を確保するために承役地での建築を禁止する(観望地役権) 

等が挙げられます。

 

ご近所さんだからといって契約や登記をすることなく、口頭等で済ませてしまうと後々トラブルになる恐れがあります。

 

地役権設定に関してご不明点等がございましたらお気軽にお問合せください。

 

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スタッフ 丹羽