
戸籍の附票とは、「住民票の氏名等の情報を戸籍の氏名等の情報と一致させるため、住民票と戸籍を連携させるもの」として存在するものであり、
これまでの住所の履歴が記載されています。
戸籍の附票は、住民基本台帳法(第16条)に基づき戸籍を単位に作成されているため、戸籍がある限り戸籍の附票も存在します。
戸籍に記載されている者が全員死亡した場合は、戸籍が消除され、戸籍の附票も消除されます。
■戸籍との違い■
戸籍の附票は、「戸籍に入っている人それぞれの住所の移り変わりの記録」を目的としているため、現在はもちろんのこと過去の住所も知ることができます。
戸籍は、本籍を確認することはできますが一人一人の現在・過去の住所に関しての記載がない点が大きな違いとなります。
■住民票との違い■
戸籍の附票は、過去の住所履歴が記載されます。
住民票は、基本的に「現在の住所と一つ前の住所のみ」が記載されているため、
いくつか前の住所と現在住所のつながりを証明するためには、戸籍の附票を取得する必要があります。
■戸籍の附票が必要となる時■
・不動産登記簿の登記名義人住所を変更する場合
所有している物件を売買等する際には、登記簿上の住所と現住所が一致している必要があります。
登記簿上の住所と現住所が異なる場合、住所変更登記をする必要があります。
引っ越しが1回のみであれば住民票の前住所欄に記載されますが、引っ越しを複数回している場合、住民票で住所の繋がりがわからないため戸籍の附票を取得する必要があります。
・休眠口座を利用する場合
以前に開設したが、長期間使用していなかった口座(休眠預金)を利用する際、口座開設時の住所と現住所の繋がりを確認するために戸籍の附票が必要となる場合もあります。
■注意点■
冒頭で、「戸籍の附票は、これまでの住所の履歴が記載されている」と説明しましたが、必ずしもその通りとは限りません。
以下の場合には、「戸籍の附票」は新しく作られ、古いものは無くなっていきます。
➀結婚した場合
結婚すると、子供は両親の戸籍から抜け、2人で新しく戸籍を作ります。
このタイミングで「戸籍の附票」も新しく作られるため、その後の「住所異動の履歴」は、新しい戸籍の附票にのみ追記されていきます。
②分籍した場合
分籍とは、在籍している18歳以上の人(筆頭者と配偶者以外)に対し、「自分が筆頭者となり新しい戸籍を作って良いよ」という制度です。
子供が「自分だけ本籍を移動したい」時等に行われ、この際も新しい「戸籍」や「戸籍の附票」が作られます。
③転籍した場合
転籍とは、本籍地を変えることを言います。
この場合も、新しく「戸籍」や「戸籍の附票」が作られます。
新しく「戸籍」が作られると元々の戸籍は「除籍」という名前になり、元々の戸籍の附票は「戸籍の除附票」という名前に変わり、その土地に保管されることになります。
除附票の保管期間については、令和元年に法令が改正されたことにより150年間となっています。
しかし、法令が改正される以前の保管期間は5年間となっていたため、5年間を経過すると廃棄されていました。
(※各自治体によって廃棄されるタイミングが異なる為、詳しくは市区町村役場にお問合せください。)
新しい土地では「新しい戸籍・新しい戸籍の附票」が作られるので、その後の住所異動の記録は「新しい戸籍の附票」にのみ追記されていきます。
そのため、もし「以前の住所を知りたい」と思ったときは、現在戸籍の附票だけでなく、改正原戸籍の附票や除籍の附票も請求しなければならない場合があります。
相続登記に関する必要な戸籍が分からない等、ご質問などがございましたら、お気軽にお問合せください。
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スタッフ 丹羽