2024年10月14日 9:00 am

以前のブログで、住宅ローンの抵当権者である金融機関や保証会社が、住宅ローンを全額返済する前(抹消登記をする前)に、合併によりその名称に変更が生じた際の手続きについて説明させていただきました。
その際のブログがこちらです。

 

抵当権者の吸収合併と抵当権抹消手続

 

こちらのブログでは、抵当権抹消登記の原因日付が、抵当権者の合併登記の日付の「前」「後」によって、抵当権の移転登記が必要になるかどうかが違ってくることを説明させていただきました。前回は抵当権抹消登記の原因日付が、抵当権者の合併登記の日付の「前」のケースを例に挙げたので、今回は「後」のケースを例に挙げて説明させていただきます。

 


 

【例題】
①平成20年2月20日に、Aさんが株式会社B銀行より住宅ローン2,000万円を借入。
その際、抵当権者である株式会社B銀行が、Aさん所有の不動産に順位1番で抵当権を設定しました。
②令和6年6月15日、株式会社B銀行は、株式会社C銀行に吸収合併されました。
③令和6年8月1日に、Aさんが住宅ローンの全額返済をした為、この抵当権は消滅。
Aさんは、これから抵当権の抹消登記をしたいが、どうしたらよいか。

 


 

【手続のポイント】
抵当権抹消登記の原因日付が、抵当権者の合併登記の日付の「後」になりますので、このケースの場合抵当権の移転登記が必要になります。
抵当権者である株式会社B銀行が吸収合併された場合、合併後存続する会社である株式会社Cは抵当権を承継します。したがって、抹消登記においても株式会社Cが義務を負うことになるのですが、この場合合併による抵当権移転登記をした上で抵当権の抹消登記を申請することになります。

 


 

◆登記申請書の記載上のポイント◆

 

①合併による抵当権移転登記

 

 

 

※登記の目的として、移転する抵当権をその登記の順位番号をもって表示し、その抵当権の移転である旨を説明する。
※登記原因証明情報…株式会社B銀行が株式会社C銀行に合併したことの記載のある商業登記の登記事項証明書を添付するのですが、会社法人番号を提供すれば良いので、実際には書類の添付は必要ありません。

 


 

②抵当権抹消登記

 

 

※登記の目的として、抹消する抵当権をその登記の順位番号をもって表示し、その抵当権の抹消の登記である旨を説明する。

 

 

このように抵当権移転登記が関係する手続には専門的な知識も必要であるため、手続に関してご不明点等がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

 

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スタッフ 倉橋