建物を新築した場合、所有者は新築後1ヶ月以内に建物の表題登記を申請しなければなりません。しかし、表題登記を行う前に施主(建築主)が亡くなってしまうケースが、多くはないものの実務では時折あります。
このような場合、「誰の名義で表題登記をするのか」「保存登記はどうなるのか」と疑問に思われる方も多いでしょう。
表題登記の方法には、次の2通りがあります。
① 被相続人(亡くなった方)の名義で表題登記をする方法
② 建物を相続した人の名義で表題登記をする方法
【① 被相続人名義で表題登記をする方法】
建物の表題登記は、その建物を建てた人の名義でするのが原則です。そのため、亡くなった方の名義で登記をすることも可能です。この方法をとる例は多くありませんが、誰が当該建物を相続するか決まらない場合に、ひとまず被相続人名義で表題登記をしておくことがあります。その後、相続人が決まった時点で、相続人の名義で保存登記をすることになります。
【②相続人名義で表題登記をする方法】
未登記建物の場合、最初に所有権を取得した人(原始取得者)が表題登記をするのが原則です。もっとも、区分建物以外の建物については、原始取得者から所有権を取得した人も表題登記を申請できます。そのため、相続によって建物を取得した人は、自身(相続人)の名義で登記をすることができます。
この場合、「所有権を証する情報」として、被相続人が原始取得者であることを証明する書類(建築確認申請書、建築確認済証、検査済証など)を提出します。あわせて「相続を証する情報」も提供しなければなりません。「相続を証する情報」は、すでに登記されている不動産を相続する場合と同様、事案によって異なります。遺言書がある場合と遺産分割協議による場合とで添付書類は変わりますが、一般的には、
- 戸籍謄本等(相続関係を証明するもの)
- 遺産分割協議書または遺言書
などを添付して、相続人名義で表題登記を行うケースが多いです。
この方法であれば表題登記を相続人名義で行うため、続く保存登記も相続人名義ですることができます。
なお、必要書類の取扱いは法務局によって異なる場合がありますので、事前に管轄の法務局へ確認しておくと手続きをスムーズに進めることができます。また、建物表題登記の申請は司法書士ではなく、土地家屋調査士が担当します。
当事務所では、相続に関する登記手続きのご相談を承っております。不動産の状況によって必要な手続きは大きく異なりますので、不安な場合はぜひお気軽にご相談ください。丁寧にサポートさせていただきます。
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スタッフ 倉橋