2026年8月6日 9:00 am

ご家族が亡くなられた直後は、深い悲しみの中にもかかわらず、さまざまな手続きを進めなければなりません。

その中でも多くの方が心配されるのが、「葬儀費用はどうやって支払えばいいの?」ということです。

「亡くなった人の銀行口座はすぐに凍結されてしまう」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

実は、現在は一定の条件のもとで、遺産分割協議が終わる前でも預貯金の一部を払戻しすることができる制度があります。

 

 

 

🌸1金融機関につき、最大150万円まで払戻しできる場合があります

 

相続が開始すると、基本的に金融機関は預貯金口座を凍結します。

 

亡くなられた方名義の預貯金は相続人全員の共有財産となり、金融機関が死亡の事実を把握すると、口座は凍結されます。

しかし、葬儀費用や当面の生活費などに困らないよう、相続人は一定額まで単独で払戻しを請求できる制度(預貯金の仮払い制度)が設けられています。

 

【遺産の分割前における預貯金債権の行使】

第909条の2 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第900条及び第901条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。

 

払戻しできる金額は法律上の計算式によりますが、1つの金融機関につき150万円が上限となっています。

実際に利用する場合は、金融機関ごとに必要書類が異なりますので、事前に確認しておくと安心です。

 

 

 

🌸葬儀費用は相続税の負担軽減につながることも

さらに、相続税の申告が必要な場合には、一定の相続人および包括受遺者が負担した葬儀費用は相続財産から控除できることがあります。

例えば、次のような費用は控除の対象です。

  • 葬儀社への支払い
  • 火葬料・納骨費用
  • お寺へのお布施や読経料
  • 通夜・告別式に通常必要な費用

などが挙げられます。

一方で、以下の費用は控除の対象になりません。

  • 香典返し
  • 墓石や墓地の購入費用
  • 初七日など法要の費用

 

詳しくはこちらをご覧ください。

No.4129 相続財産から控除できる葬式費用|国税庁

 

 

🌸領収書は大切に保管しましょう

葬儀費用は、相続税の申告で必要になる場合があります。

葬儀社からの請求書や領収書だけでなく、お布施など領収書が発行されないものについても、支払日・金額・支払先をメモしておくと安心です。

 

相続手続きは、亡くなられた直後からさまざまな手続きが重なります。

「預金は引き出せない」と思い込まず、利用できる制度を知っておくことで、落ち着いて対応することができます。

 

ご不明な点がございましたら、お気軽に司法書士スパークル総合法務事務所までご相談ください。

 

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スタッフ 倉橋