先日買戻し特約についてのブログ記事を書きましたが
今回はその続編として、下記の2つに分けて解説したいと思います。
①買戻し権を行使する場合
②買戻し特約を抹消する場合
①買戻し権の行使
そもそも買戻しとは、どうゆう権利だったでしょう。以下に前回のブログ記事を抜粋します。
買戻し特約とは不動産の売主が売買契約と同時に、買主が支払った一定の期間内に売買代金と契約費用を返還して目的物を取り戻せる旨の特約です。
たとえば、Aさんが所有する不動産をBさんに売却する際、後日に代金と契約費用を返還して売買契約を解除する旨を約束する事例があげられます。
ブログ記事はこちらです。
買戻しの登記がなされていると、たとえ買主が他の第三者に不動産を転売しても、当初の売主は買戻しを主張して不動産を取り戻すことができます。
これを買戻権の行使といいます。
売主は、原則として売買代金と契約費用を返還すれば、第三者からでも不動産を取り戻すことができます。
したがって、買戻特約の登記がされている不動産を買う場合には、注意が必要です。
買戻期間内に適法に買戻権が行使された場合、買戻特約が登記された不動産に買主又は転得者が設定した用益権や担保権は消滅します。
また、買戻期間経過後でも、買戻期間内に買戻権が行使されていれば買戻権の行使による所有権の移転の登記をすることができます。
◆登記方法
買主(現在の所有者)から当初の売主(買戻し権者)への所有権移転登記申請を行います。
この所有権の移転の登記をすると、買戻特約の登記は、登記官の職権によって抹消されます。
買戻期間内に買戻権が行使されていれば、つまり、買戻権の行使による所有権の移転の原因日付が買戻期間の経過前であれば、所有権移転の登記申請はこの期間の経過後であっても可能と解されています。
また、農地法の許可が期間経過後になされた場合、買戻しの意思表示が期間内になされていれば、登記原因日付を農地法の許可が到達した日として申請することができます。
②買戻し特約を抹消する場合
買戻し特約は、登記されたままにしておくと不動産の流通の妨げになるため、不要になった時点で速やかに抹消登記を行うことが重要です。
◆買戻し特約の抹消が必要になる主な場面
買戻し期間が満了した (※買戻し期間の定めがない場合、民法上は5年とみなされます。)
売主・買主の合意により、買戻しをしないことが決まった
買戻し権が放棄された
いずれの場合も、実態として買戻し権が消滅しているにもかかわらず登記が残り続けると、買主が第三者へ売却・担保提供する際の障害となります。そのため、抹消登記を申請する必要があります。
◆登記方法
原則として、下記の者による共同申請となります。
権利者:買主(現在の所有者)
義務者:売主(買戻し権者)
◆単独申請による買戻し特約の抹消
売主(買戻し権者)と連絡が取れない、あるいは協力が得られないといった理由で、共同申請ができないケースも少なくありません。
そのような場合に活用できるのが、単独申請による抹消です。
単独申請が認められる主な場面
→買戻し特約の登記がされており、契約の日から10年経過したとき
買戻しの特約の契約の日から10年を経過したときは、登記義務者の所在が判明しているか否かを問わず、登記権利者は、単独で買戻しの特約に関する登記の抹消登記を申請することができます。
不動産登記法第69条の2
買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したときは、第60条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。
🌸まとめ
買戻し権は、適法に行使されれば第三者からでも不動産を取り戻せる強力な権利です。
一方で、不要になった買戻し特約の登記をそのまま放置しておくと、不動産の売却や担保提供の際に大きな障害となってしまいます。
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スタッフ 上村