2025年2月27日 9:00 am

買戻し特約とは、不動産の売主が売買契約と同時に、買主が支払った一定の期間内に売買代金と契約費用を返還して目的物を取り戻せる旨の特約です。(民法第579条)

たとえば、Aさんが所有する不動産をBさんに売却する際、後日に代金と契約費用を返還して売買契約を解除する旨を約束する事例があげられます。

 

(民法第579条)

不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金(別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額。第583条第1項において同じ。)及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。

 

○買戻し特約の目的物

不動産の他に、地上権、地役権等の不動産を目的とする売買できる権利や工場財団のように不動産とみなされるものも目的とすることができます。

 

○買戻しの期間

・10年を超えることができない

・10年を超えた期間を定めた場合、10年に短縮される

・期間を定めた時はその後伸長することは不可

・買戻し期間を定めなかった場合は5年となる

 

○買戻し権の行使

買戻しの登記がされていると、たとえ買主が他の第三者に不動産を転売しても、売主は買戻しを主張して不動産を取り戻すことができます。これを買戻し権の行使といいます。一度行った売買を解除するため、売主は原則として売買代金と契約費用を返還すれば第三者からでも不動産を取り戻すことができます。

(民法第581条)

売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対抗することができる。

 

○買戻しの登記時期

所有権移転の登記と同時に買戻特約の登記をします。

所有権とは別の独立した一個の権利なので、所有権移転登記とは別個の申請情報によって申請します。

 

○買戻しの登記事項

【絶対的登記事項】 売買代金と契約費用

【任意的登記事項】買戻期間

 

※売買代金…買主が売買代金として実際に支払った金額のこと。(民法579条の別段の合意をした場合は、その合意により定めた金額)

※契約費用…売買契約を締結する際に必要となる費用のうち、買主が支払ったもの。(契約費用が発生しなかった場合は、契約費用がない旨を、合意により契約費用の返還を要しない場合は、その旨を申請する必要がある)

 

○買戻しの登記例

【事例】

令和3年4月22日、竹内まり子は自己所有の土地を龍川敏男に売却すると同時に買戻しの特約をした。龍川敏男が竹内まり子に現実に支払った代金は金2000万円、契約費用は金20万円であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スタッフ 上村