2026年3月16日 9:00 am

「地上権」とは?

 

前回の記事では、「物権と債権の違い」について解説しました。

 

物権=物を直接支配できる強い権利

債権=特定の相手に請求できる権利

 

今回は、物権のうち、土地の利用に関する権利である「地上権」について取り上げます。

 

前回の記事の内容については、こちらをご覧ください。

物権と債権の違いとは?

 

■ 地上権とは何か

 

地上権とは、他人の土地の上に建物や工作物、竹木を所有するために、その土地を使用できる権利です(民法265条)。

 

◆民法265条(地上権)

地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。

 

◇工作物とは、地上・空中・地下に設置される施設や建造物のことをいいます。

例えば、建物、橋梁、道路、トンネル、地下街、地下鉄などが挙げられます。

 

◇竹木とは,土地に生育する植物のうち、その植栽が耕作とはいえないものをいいます。

一方で、稲、麦、野菜、茶、果樹などの耕作物は、地上権ではなく永小作権の対象となります。

 

地上権の最大のポイントは、「物権」であるという点です。

 

つまり前回の記事で解説したとおり、第三者に対しても主張できる非常に強い権利です。

 

 

■地上権の成立要件

 

地上権は,土地所有者と地上権者との設定契約によって成立します。

また、取得時効や遺言によって取得されることもあります。

 

 

■地上権の対抗要件

 

地上権は登記をすることで第三者に対抗することができます。

つまり、土地が売却された場合でも、地上権の登記があれば、新しい所有者に対しても権利を主張できます。

なお、建物所有を目的とする地上権は、地上権者がその土地の上に登記されている建物を所有していることで第三者に対抗することができます。

 

物権である以上、登記によって第三者対抗力を持ちます。

不動産実務では、「登記をしているかどうか」が極めて重要になります。

 

 

■地上権の存続期間

 

地上権の存続期間には特に制限はなく、永久地上権とすることも可能です。

 

 

■地上権の内容

 

・地上権は物件であるため、原則として自由に譲渡や担保設定をすることができます。

 

・地上権者は物権的請求権を有します。

妨害排除請求権、妨害予防請求権、返還請求権などです。

 

・地代は無償でもよく、設定契約において地代支払いの特約がある場合にのみ、地代支払義務を負います。

 

・地上権が消滅したときは、地上権者は、土地を原状に復して工作物や竹木を収去することができます。ただし、土地所有者が時価相当額を提供してこれを買い取る旨を通知した場合、地上権者は、正当な理由がなければこれを拒むことができません。

 

 

■ 地上権が使われる事例

 

地上権は、次のような場面で利用されます。

・ビルやマンション開発

・太陽光発電(メガソーラー事業)

・鉄道・高速道路の高架利用

・商業施設の建設

・マンション敷地

 

地下又は空間を対象とする区分地上権を設定することもできます。

 

 

■ 相続やトラブル予防の観点から

 

地上権は財産権です。

そのため、

・地上権者が亡くなれば相続対象になります。

・土地所有者が亡くなっても、地上権は存続します。

契約内容と登記の有無によっては、将来大きな紛争につながる可能性もあります。

 

前回の記事で解説した通り、物権は「強い権利」です。

 

土地の有効活用や相続対策を検討する際には、

・単なる賃貸借なのか

・地上権を設定するのか

によって、将来の安定性は大きく変わります。

 

 

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スタッフ 上村