2021年8月19日 2:53 pm

現在は満20歳をもって「成年」と定められていますが、すでに報道されていますとおり、来年2022年4月1日以降は満18歳に引き下げられることになりました。

つまり来年4月以降は「17歳以下」が未成年者となり、高校3年生の同級生の中に成年と未成年が存在することになります。

以前は「20歳以上が大人」と一律で覚えておけば済みましたが、18歳選挙権がすでにスタートする等、ここ数年でいろいろ大きく変化していますので、整理してみますと……

 

・成年:   満18歳 (2022年4月1日以降)

・選挙権:  満18歳 (2016年6月22日以降)

・飲酒喫煙: 満20歳 (現行と同じ)

・少年法 : 18歳・19歳は「特定少年」として17歳以下とは異なる特例

(2022年4月1日以降)

・婚姻年齢: 男性…18歳以上(現行と同じ) 女性…16歳以上から18歳以上に引き上げ (2022年4月1日以降)

 

※養子縁組: 養親になれるのは満20歳 (2022年3月31日以前は「成年」だったので変更なし) ←2023年3月14日追記

 

今後は上記のように変わります。

これまでは、例えば18歳の子が親の同意なしに行った契約や取引は取り消すことができましたが、来年4月以降は成年の行為となり取り消すことができなくなります。

今後は、高校を卒業して社会に出ていく子どもたちに対して金融や法律などの知識や情報を教えておくことが、これまで以上に重要になってきます。

 

 

未成年者は成年と比べて行うことができる法律行為に制限があり、重要な契約や取引については、法定代理人(多くは親)の同意が必要となります。

制限があるのは相続においても同様で、未成年者は単独で遺産分割協議を行うことができません。

 

 

例えば、図1のような家族構成で父親が死亡した場合、配偶者(母親)と3人の子供たちが相続人となります。

母親は未成年である二女と長男の法定代理人ですが、母親が二女と長男の代理として遺産分割協議書にサインをすることはできません。

母親が子供の利益を侵害する可能性があり、利益相反の関係性になるためです。もちろん長女が二女や長男の代理になることもできません。

 

こういった場合、未成年者のために家庭裁判所に申し立てて「特別代理人」を選任する必要があります。

「特別代理人」は相続に関係のない親族や知人でも構いませんが、二人の未成年者の特別代理人を一人の方にお願いすることはできません(子ども同士でも利益が相反するため)。

未成年者一人につき一人の特別代理人の選任が必要です。

特別代理人を選任せずに遺産分割協議を行った場合は無効となり、登記等もやりなおしとなりますので、ご注意ください。

 

 

なお、図2のようなケースの場合、元妻は元夫の法定相続人にはなりませんので、長男の法定代理人として遺産分割協議書にサインをすることができます。

 

特別代理人には司法書士も選任できますので、お願いできる人がいなくてお困りの方、また家庭裁判所への特別代理人の申立手続きに不安がある方も、どうぞお気軽にご相談ください。

 

豊田市で司法書士をお探しなら

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スタッフ 斉藤