2023年1月30日 10:14 am

以前ブログにて「生前贈与」のお話をさせていただきましたが、今回は「特別受益」に関してご紹介させていただきたいと思います。

生前贈与と同じような意味合いにはなりますが、具体例なども併せてご紹介できればと思います。

「特別受益者」とは

被相続人から生前贈与または遺贈(遺言による贈与)により受けた利益の事を指し、お金や物など、その形は様々となります。

特別受益者の相続分

特別受益者がいるときの相続分計算では、相続人間の公平を期すために、

特別受益分を「相続分の前渡し」とみなして、相続分に算入して考える「持ち戻し」が行われます。

〈事例〉

父が3,000万円の財産を遺して亡くなったが、父は生前、長男に事業資金として1,000万円を贈与していた。

この場合、相続人2名(長男、二男)の相続分の計算方法はどのようになるのか?

(みなし相続財産)

3,000万円の財産+1,000万円持ち出し=4,000万円

(各相続人の一応の相続分)

4,000万円×2分の1=2,000万円ずつ

(各相続人の具体的相続分)

長男…2,000万円-1,000万円=1,000万円

二男…2,000万円

というように分けられます。

 

☆特別受益とみなされるもの

・婚姻時に受け取った費用

・住宅取得資金

・扶養義務の範囲を超えた多額の援助

・独立するときの事業資金等

・高額な高等教育の学費

が挙げられます。

☆特別受益に含まれないものは?

・生命保険(ただし、保険金が全体の財産と比較してあまりに高額である場合に、持ち出しになってしまった例もあります)

・死亡退職金

・相続人以外への贈与

・相続放棄をした者への贈与

・おしどり贈与

(婚姻期間が20年以上の夫婦間において、居住用不動産もしくはそれを取得するための金銭の贈与が行われた場合に、最高2,000万円まで控除できるもの)

となっております。

 

☆特別受益は必ず持ち戻しをしなければならないのか?

①他の共同相続人が、問題にしていなければOK

②被相続人が遺言等で持ち出しを免除する意思表示をしていた場合、持ち出さなくても良い。

※ただし、被相続人による持ち出し免除の意思表示があったとしても、「遺留分侵害請求」をすることは可能となっています。

 

生前贈与、特別受益に関しては相続開始後に相続人同士の中で揉める事が非常に多くなっています。

心配な事がございましたらいつでもお気軽にお問合せください。

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スタッフ 丹羽