2024年6月27日 9:00 am

 

「特定の居住用財産の買換えの特例」とは特定の居住用財産を令和5年12月31日までに売却し、代わりとなる居住用財産を購入した際に、一定の要件を備えていると、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができるというものです。

 

(例)

2,000万円で購入した居住用財産を3,500万円で売却し、新たに5,000万円の居住用財産を購入したとします。

通常、この場合には1,500万円の譲渡益が課税対象となりますが、この特例の適用を受けていた場合、売却した年に譲渡益の課税を行うのではなく、新たに購入した居住用財産を将来売却した際に発生する譲渡益に対して課税されることになります。

 

例えば、新たに購入した居住用財産を将来6,000万円で売却した場合、売却価額6,000万円と購入価額5,000万円の差額である1,000万円の譲渡益に対して課税されるのではなく、新住居の譲渡益1,000万円に特例の適用を受けて課税が繰り延べられていた旧住居の譲渡益1,500万円を加えた2,500万円が譲渡益として課税されます。

 

 


 

 

■特例を使用するメリット■

 

➀新たに購入した居住用財産を将来売らなければ、税金は課されない

 

「旧住居の譲渡益に対する課税が繰り延べられ、新住居用財産を将来手放す時にまとめて課税される」と上記でもご説明しました。

そのため、新たに購入した居住用財産を売却しなければ、譲渡益は発生しないため課税をされることが無いのです。

 

 

 

■特例を使用するデメリット■

 

 

➀新住居を取得日から5年以内に売却をすると、短期譲渡となり譲渡所得税の税率が上がる

土地や建物の譲渡による所得は、他の所得、例えば給与所得などと合計せず、分離して計算する分離課税制度が採用されています。

譲渡所得を計算する場合の税率は決められているのですが、税率は物件の所有期間に応じて変動し、

5年以下なら短期譲渡で39.63%5年超なら長期譲渡で20.315%となっています。

 

新住居の取得日から5年以内に売却をした場合、

旧住居の繰り越された譲渡益、新住居の譲渡益のどちらに対しても39.63%で課税されてしまうため、注意が必要です。

 

 

②新住居を売却した時に利益がでても、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例は1度しか使用できない

 

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」とは、居住用財産を売却した時に所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円の控除を受けられる特例です。

No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁 (nta.go.jp)

 

●買換えの特例を使用しない場合

旧住居売却時に3,000万円新住居売却時に3,000万円の合計6,000万円の特別控除の特例を受ける事ができます。

 

●買換えの特例を使用した場合
3,000万円の特別控除の特例を受けることができるのは新住居の売却時のみとなります。

 

「特例を受けるための要件」につきましては、こちらをご覧ください。

 

 

No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁 (nta.go.jp)

 

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スタッフ 丹羽