2023年1月25日 5:56 pm

暦年課税とは、1月から12月までの1年間に贈与された金額をもとに贈与税額を計算するのが基本となっています。

この場合、基礎控除として110万円という非課税額があるため、贈与された金額が年間で110万円以内であれば、贈与税はかからず、申告の必要もありません。

そこで贈与する金額を毎年110万円以内にして、少しずつ贈与するという方法が考えられます。

1回の贈与額は少なくても、数年にわたって贈与すれば、1人に対して数百万円の贈与をすることも可能となります。

一方で、贈与する人は誰にでも、いくらでも贈与することができるので所有している資金を早く、手間をかけずに贈与したいという場合は、一度に子どもや孫など複数の人に贈与することも可能です。

例えば、同じ年に5人の子どもや孫に100万円ずつ贈与したとすると、年間で500万円の資金を贈与税がかからずに贈与することができます。

これを3年行えば、1500万円の財産を承継することになり、相続財産を早めに減らすことができちゃうんです!

 

 

相続時精算課税とは、60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上(2022年4月からは18歳以上)の子どもや孫が贈与を受けた場合には、

「相続時精算課税制度」を選択することもできます。

これを利用すると、何回かに分けて贈与されても、累積で2,500万円までは贈与税は課税されず、2500万円を超えたら、超えた分に一律20%の贈与税が課税される仕組みになっています。

しかし、この制度で贈与された分はすべて相続税の対象となってしまうため、相続時に取得する財産と合わせて相続税を計算することになります。

2,500万円を超えて納めた贈与税があれば、相続税額から差し引くことができ、相続税より贈与税が多かったときは、差額の還付を受けることができます。

まとまった資金を贈与する際には適していますが、生前に贈与された分を相続税で精算する為、直接的に相続税の節税にはつながりません。

ただし、相続時よりも早く資産を承継し、子や孫がそれを活用できるという意味では便利な制度となっています。

この制度は父と子供、母と孫など、1対1で贈与される相手を選んで利用できますが、

一度選択すると、以降は暦年課税に戻ることはできず、年間110万円の非課税枠を利用することができなくなってしまいます。

最初に贈与を受けたときに贈与税の申告をして「相続時精算課税」の届け出を行い、以降は贈与を受けるたびに、

110万円以内であっても贈与を受けた年の翌年に贈与税の申告が必要です。

 

 

 

贈与があった場合どのように申請するの?

“財産をもらった人が、もらった年の翌年3月15日までに、財産をもらった人の住所の所轄税務署へ行き申請を行う”

税務署のイラスト(確定申告)

※納税は金銭で一時に納めるのが原則だが、一度に多額の納税をすることが難しい場合は、延納という納税方式もあります。

 

生前贈与をする際の注意点

せっかく生前贈与をしても、相続時に税務署の調査で贈与とは認められない場合もあります。

例えば、、子どもや孫の名義で通帳を作り、その通帳に贈与したお金を入れておいても、その通帳や印鑑を贈与した人が自分で管理していると、「名義預金」とみなされて、相続税の対象にされることがあります。

贈与したお金は、受け取った人が自分で管理し、自由に使える状態にしておくことが重要です。その都度「贈与契約書」を作成しておくほうが良いかもしれません。

暦年課税で毎年少しずつ贈与する場合は、受け取る人が普段使っている口座に振り込めば、通帳に記録が残り、贈与の証拠にもなります。

贈与税の特例や非課税制度を適用するときは、贈与税の申告書を提出することが適用を受けるための要件となっているものもあるため注意が必要です。

場合によっては年間110万円を少し超える贈与をして、贈与税の申告・納付をしておけば、その申告書の控えが贈与の証明にもなります。

例えばのお話ですが、年間200万円の贈与であれば、税率は10%で、贈与税額は9万円で済む為、手取りで200万円になるように贈与するなら、贈与税の分も含めて210万円を贈与するというのも一案です。

 

※しかし、最近になり相続税・贈与税の税制改正の方向性が示され、課税金額に加算する見直しが予定されております。

近年の税制改正の動向には注意が必要です。

 

今の資産をどうすれば一番良いのかが分からないとのことでしたらいつでもお気軽にお問合せください。

(信頼できる税理士を紹介することも可能です)

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スタッフ 丹羽