2022年12月26日 11:37 am

今回は遺言書を作成した後に注意しなくてはならない点に関してご紹介させていただきたいと思います。

まず初めに「遺言書はいつでも破棄でき、いつでも書き直すことができるものです」

その為”何通も作成した遺言書の効力”に関して注意しなくてはならない点がいくつかあります

 

①前に作成した遺言書と後に作成した遺言書にて内容が矛盾する場合

☆「〇〇の土地を長女に相続させる」と書いてある古い遺言書と、「〇〇の土地を次女に相続させる」と書いてある新しい遺言書があった場合です。

内容に矛盾が生じる遺言書が複数あった際には、その矛盾する部分に関しては後に作成された遺言によって前に作成された遺言を撤回したものとみなされます。

その為この事例ですと、「〇〇の土地を次女に相続させる」という内容が一番正しいものとして扱われることとなります。

 

②遺言者が遺言内容に反する行為をした際は、遺言を撤回したものとしてみなされます

☆遺言書を作成した後、遺言者が遺言内容に相反するような行為をした際も、その部分に関しては遺言を撤回したものとみなされるので注意が必要です。

例えば、遺言者が「〇〇の土地は長女の〇〇に相続させる」という内容の遺言書を作成しましたが、その後遺言者が生前にその土地を他人に売却してしまった時は、

「土地を長女に相続させる」という遺言は撤回されたものとみなされます。

 

③遺言書を新たに書き直す際は、前に作成した遺言書は破棄するのがオススメです

 

☆新しく遺言書を作成し直す際は、前に作成した遺言書は封筒ごと破棄しましょう。

遺言書が何通も見つかってしまうと、相続人が混乱してしまう恐れがあるからです。

もし、前に作成した遺言書が見つからなければ、後から作成する遺言書に「以前作成した遺言書に関しては全て撤回する」と書き、

全部分を書き直しすることをオススメします!

 

④前に作成した遺言書と後に作成した遺言書の内容が矛盾しなければ、どちらの遺言も適用されます

☆例えば前の遺言書に「〇〇銀行の預金は長女に相続させる」と作成をし、

後の遺言書には「▽▽銀行の預金は次女に相続させる」旨で作成をしたとします。

どちらも預金を相続させる内容の遺言ですがこの2つの内容に矛盾するところはありません。

その為、前の遺言者も後の遺言者も作成の前後には関係なくどちらも有効です。

 

⑤遺言書は複数に分けて作成するよりも、1通の遺言書にまとめて作成するようにしましょう。

 

☆遺言書が何通もあると混乱が生じやすくなってしまいます。

争いが起きてしまわないように予防する事としては、複数に分けて遺言者を作成するより、1通の遺言書にまとめて作成することがオススメです。

「〇〇銀行の預金は長女〇〇に相続させる」と作成した前の遺言書は破棄して、

「〇〇銀行の預金は長女に相続させ、▽▽銀行の預金は次女〇〇に相続させる」という内容に書き直すのが良いと考えられます。

 

相続や遺言書に関してお困りごとがありましたらいつでもお気軽にご相談ください。

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スタッフ 丹羽