
遺言とは、被相続人が生前に「自分の財産を、誰に、どれだけ残すのか」についての意思表示をする事を指し、それを書面に残したものを遺言書といいます。
遺言は、大きく分けると
①自筆証書遺言
②公正証書遺言
③秘密証書遺言
に分類されますが、実際に遺言で使用されるのは➀自筆証書遺言、②公正証書遺言が多い傾向にあります。
■自筆証書遺言■
自筆証書遺言は、作成費用がかからず、全て自分一人だけで作成することができる一番お手軽な方法です。
いつでもどこでも誰の立ち会いも要らずに作成することができます。
しかし、自筆証書遺言の場合、法律で書き方が定められているため、少しでも不備があると無効になってしまう恐れがあります。
■公正証書遺言■
公正証書遺言は、原則、公証役場で公証人と証人二人の立ち会いの下で作成する遺言のことをいい、遺言者の死亡後はすぐに内容を執行することができます。
自筆証書遺言と比べると、費用と手間がかかるという点はありますが、公証人の下で作成するため不備が生じて無効になる心配はありません。
そこで今回は自筆証書遺言書を発見した際に行う手続きに関してご紹介させていただきます。
自筆証書遺言書を発見した場合、相続人は慎重になる必要があります。
なぜなら勝手に開封し、遺言の内容を確認してしまうと「5万円以下の過料」を科せられる場合があるからです。
そのため、自筆証書遺言書を発見した際には「検認」という手続きが必要になります。
「検認」とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にする手続です。
家庭裁判所に提出し、相続人の立ち会いのもとで遺言書を開封・確認することで、「故人はこの遺言書を残していました」「こういう内容でした」という確認を行います。
※「検認」は遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
■自筆証書遺言 検認の流れ■
➀「検認」請求を行う
遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、遺言書を提出し「検認」の請求をします。
②「検認」期日の通知
検認の申立てをした後、家庭裁判所から相続人に対し検認を行う日(検認期日)の通知がされます。
申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは各人の判断に任されており、全員が揃わなくても検認手続は行われます。
③遺言書の検認
検認期日には、申立人が遺言書を提出し、出席した相続人等の立会のもと
裁判官が遺言書を開封し、検認します。
④検認済証明書の申請
検認後、遺言の執行をするには、遺言書に「検認済証明書」が付いていることが必要となるため、「検認済証明書」の申請をします。
⑤相続手続き
「検認済証明書」が交付されると、相続手続きをすることが可能となります。
■検認にかかる費用■
検認にかかる費用は、遺言書(封書の場合は封書)1通につき収入印紙800円分
が必要になります。
別途、費用が必要になる場合もあるため、詳しくは申し込みされる家庭裁判所までお問合せください。
■遺言書の検認が不要となるケース■
・公正証書遺言によって作成された遺言書
・法務局に保管されている自筆証書遺言
(自筆証書遺言書保管制度に関して、よろしければこちらもご覧ください。)
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スタッフ 丹羽