
団体信用生命保険とは、住宅ローンを組んでいる契約者が、返済中に「死亡」又は、「高度障害」になってしまった際に、住宅ローンの借入残高をゼロにすることで、残された家族の住居を確保することができる保険です。
(省略して「団信」(だんしん)と呼ばれることもあります。)
団体信用生命保険に加入していない場合、契約者が亡くなると、残された住宅ローンは債務としての相続財産となるため、財産を相続した家族が返済していくことになります。
返済が滞った場合には、自宅を手放すことになってしまう恐れもあります。
■住宅ローン契約時の団体信用生命保険と抵当権の仕組み■
現在では、住宅を購入される際に、金融機関から融資を受けて購入し、その後住宅ローンの返済をしていく方が非常に多いと思います。
団体信用生命保険への加入に関しては、住宅ローンの契約を締結する前に、金融機関から債務者に対して、加入案内がされます。
団体信用生命保険には加入条件、加入審査がありますが、審査を無事に通過した場合に加入することができ、金融機関から融資の実行が行われます。
融資の実行が行われる際には、「債務者が住宅ローンの返済ができなかった場合」に備え、債務者が所有している物件を担保に取り、抵当権設定登記を行うこととなります。
では、もし債務者の方が「死亡」、「高度障害」になってしまった場合は、どのように手続きをすればよいのでしょうか。
■団体信用生命保険の申請の流れ■
➀金融機関へ連絡を行う
住宅ローンを返済中の金融機関に連絡をして、死亡通知をします。
その後、金融機関から、保険金の請求に必要な書類に関してのご案内があるため、書類の収集を行います。
②請求書類の提出
書類のご準備が整ったら、金融機関に書類を提出します。
書類の提出には期限があります。
「保険給付を請求する権利(略)は、行使できる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。」(保険法95条)とされているため、早めに提出するようにしましょう。
書類提出後、金融機関が保険会社に対して、審査の依頼を行います。
③保険金の支払い
保険会社で審査が行われ、審査通過後、保険会社から住宅ローンを返済中の金融機関に保険金が支払われ、完済となります。
④法務局で所有権移転登記を行う
被相続人名義となっている土地や建物の所有権を、相続人の方へ移転登記する。
(相続人への所有権移転登記は、団体信用生命保険の手続きとは関係なく申請が可能ですので、保険金支払いの前でも問題ありません。)
⑤法務局で抵当権抹消登記を行う
住宅購入時に、金融機関から借り入れをする場合、住宅に対して抵当権が設定されます。
③で住宅ローンを完済したとしても、設定されている抵当権が自動的に抹消されるという訳ではありません。
そのため、相続人と抵当権者である金融機関が、法務局に対し、共同で抵当権抹消登記申請を行うことで、抵当権が抹消されます。
団体信用生命保険は、住宅ローンを借り入れる場合、もしくは借換えをする際にのみ契約可能な保険です。
保険にはいくつか種類があるため、加入の際は、どの保険がよいのかご検討いただいた上で加入するようにしましょう。
また、住宅ローンを完済しているが、抵当権抹消登記を行っていない等の場合は、是非お問い合わせください。
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丹羽