2024年5月7日 9:00 am

 

 

会社を新たに設立したり、既に登記されている会社情報に変更があった場合には、

法務局に登記申請を行う必要があります。

申請を行う事で、会社の情報が登記事項証明書に記載されるようになり、登記事項証明書を取得することで誰でも確認することができます。

登記事項証明書には、本店の所在地、業務内容、会社の株式、代表取締等の氏名・住所等に関しての事項が明記されていますが、その中で今回は「代表取締役等の住所の記載」についてご紹介させていただきます。

 

 


 

 

現在、会社の登記事項証明書では代表取締役等の住所が地番(場合によってはマンション名・号室)まで記載されるようになっています。

しかし、地番等まで記載をすることで「プライバシーが保護されていないのではないか」と問題視する声が多く上がるようになりました。

 

そのため、法務省は「代表取締役等住所非表示措置」として一定の要件の下、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人(以下「代表取締役等」)の住所の一部を登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービスに表示しないこととする措置を発表し、2024年10月1日から施行されることとなりました。

その結果、登記事項証明書等に関しては代表取締役等の住所は最小行政区画(市区町村)までしか記載されないこととなります。

(東京都においては特別区まで、指定都市においては区までの記載となります。)

なお、代表取締役等住所非表示措置の対象となる住所は、申出と併せて申請される登記によって記録される住所に限られます。

 

記載例

 

「愛知県豊田市●●一丁目●番地●●

代表取締役 ●●   」

 

 

「愛知県豊田市

代表取締役 ●●   」

 

 


 

注意点

 

 

➀融資を受ける際等に不都合となる恐れがある

代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合には、登記事項証明書等によって会社代表者の住所を証明することができないため、

金融機関から融資を受けるに当たって不都合が生じたり、本人確認として不動産取引等に当たって必要な書類(会社の印鑑証明書等)が増えたりする恐れがある。

 

②登記義務が免除されるわけではない

代表取締役等住所非表示措置が講じられた場合であっても、会社法(平成17年法律第86号)に規定する登記義務が免除されるわけではないため、

代表取締役等の住所に変更が生じた場合には、その旨の登記の申請をする必要があります。

 

 

③登記申請と同時に申し出ること

代表取締役等住所非表示措置を希望する場合、法務局の登記官に対して申し出をする必要があります。

申し出を行う際には、設立の登記代表取締役等の就任の登記代表取締役等の住所移転による変更の登記など、代表取締役等の住所が登記されることとなる登記の申請を同時にする場合に限り行うことができます。

 

 

代表取締役等住所非表示措置をご検討されている方は、上記の点を理解したうえで

行うようにしましょう。

 

 


 

商業登記についてご不明点がございましたらお気軽にご相談ください。

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スタッフ 丹羽