2023年11月1日 12:43 pm

■暦年課税制度とは?■

 

 

この制度は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産の合計額から、基礎控除である110万円を差し引いた価格に課税されるものです。

 

贈与される側、する側ともに特段な制限等はなく、どなたでも利用することが可能となっており、届け出なども不要です。

年間110万円までの贈与であれば贈与税は課されず申告も不要ですが、

 

 

 

110万円を超えると、その超えた部分に課税され、申告が必要になります。

課税される税率は、課税される価格が大きいほど税率も大きくなる累進課税方式となっており、10%から最大で55%となっています。

 

 

 

なお、直系尊属(父母や祖父母等)から18歳以上の子や孫等への贈与に関しては、一般の贈与よりも税負担が軽減される「特例贈与」の税率が設定されています。

※上記の図の場合、祖母から孫への贈与の為、贈与を受けた額×15%-10万円ですが、

一般の贈与の場合は、贈与を受けた額×20%-25万円となる為、

詳しくは国税庁のHPをご覧ください。


 

■相続前贈与の加算期間が3年から7年に延長■

 

この制度に関して、今までは、被相続人の死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間に、暦年課税に係る贈与によって取得した財産があるときは、相続税の課税価格に贈与を受けた財産の価額を加算していました。

しかし、令和6年1月1日以降は、加算期間が3年から7年に延長されます。

 

延長される4年分の贈与のうち、総額100万円までは相続財産に加算されないこととなっていますが、加算期間の延長によって、

相続時に課税される相続財産が増加するため、相続税の負担が大きくなることが見込まれています。

 

ただし、令和5年12月31日までに贈与された財産については、加算期間延長の対象となりません。

加算期間は令和9年1月1日以降の相続から順次延長されます。

相続税対策として、暦年課税制度を利用して、親等から子・孫等へ少しずつ生前贈与を行うことがよくありますが、令和6年以降の贈与からは加算期間が長くなってしまうので注意が必要です。


 

贈与税の課税方法には、他にも「相続時精算課税制度」という制度もございます。

この制度に関しては、贈与した金額の累計が2500万円を超えるまで贈与税がかからないのですが、2500万円を超えると一律20%かかるという制度です。

その上で、贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額から相続税額を計算し、一括して相続税として納税します。

しかし、相続時精算課税制度を1度使用してしまうと、暦年課税制度には戻ることができない為、注意が必要です。

 

どちらの制度もメリット・デメリットがございますので、しっかりご検討したうえで決めていただければと思います。

こちらに関しては、以前のブログにてご紹介させていただいておりますので、よろしければご覧ください。

 

 

相続時精算課税制度とは?

 

 

もしご不明点等ございましたら

信頼できる税理士を紹介することも可能ですのでお気軽に一度ご相談ください!!

 

豊田市で司法書士をお探しなら

司法書士スパークル総合法務事務所へどうぞ

 

丹羽