不動産を売買・相続する際には、
元々所有していた所有者から新しい所有者への名義変更が必要になり、その際に所有している物件の”権利証”が必要となります。
(平成17年の不動産登記法の改正により、平成17年以降”権利証”は廃止され、
その代わりに”登記識別情報通知”が発行されています。)
※各管轄の法務局によって、登記識別情報通知への切り替わりには若干の誤差があります。
“権利証”には、所有している人の氏名・住所・所有している物件の情報が記載されています。
売買や相続をしてから時間が経過していたりすると、権利証を紛失してしまう方もいらっしゃいます。
紛失してしまうと、いざ名義変更をする際に、「この物件は私が間違いなく所有しています」と証明することができなくなってしまうんです。
もちろん、権利証を紛失してしまったからと言って、物件を売買・相続できなくなるという訳ではありませんので、ご安心下さい。
今回は紛失してしまった際にどのような手続きをすれば、
名義変更を行うことができるのかについてご紹介させていただきたいと思います。
①司法書士による本人確認
本人確認情報というのは、司法書士が法律上の権限に基づき依頼者様の本人確認を行い、
”対象不動産の所有者であることで間違いない”ことを証明した文書を作成します。
この本人確認情報を権利証の代わりとして法務局に提出します。
本人確認情報を作成するにあたっては、司法書士が依頼者の方と面談の上、
免許証やマイナンバーカードなどを確認させて頂き、生年月日や不動産を取得した経緯などをヒアリングさせて頂きます。
②登記官による事前通知
もう一つの対処法としては、事前通知の制度があります。
本来であれば申請をする際に”権利証”を添付した上で法務局に申請をしなくてはいけないのですが、
紛失してしまった場合には、とりあえず権利証の添付なしで申請を行い、
その後法務局の登記官が、登記義務者(売買時の売主など)に対して、
申請されている登記をするということで間違いがないかどうか意思の確認をする文書を、
本人限定受取郵便等で発送します。
その後、間違いない旨の返信が、法務局に対してなされた場合に、登記が実行されるという仕組みになっています。
この制度を使えば権利証を紛失していても登記を行うことはできますが、注意点があります。
注意点
登記義務者から法務局への返信が、法務局が通知を発送した日から2週間以内(ただし、登記義務者の住所が外国の場合には4週間以内)になされなかったり、
登記申請の委任状に押印したものと異なる印鑑で回答書に押印をした場合は、登記が実行されません。
その為、不動産の売買・融資を受けるための抵当権設定など第三者が関わっている登記申請では、
上記のリスクを避けなければならないため、一般的にこの手法は用いられません。
※権利証は1度紛失してしまうと、再発行が一切できません。
その為、権利証の保管は厳重に行っていただくことをオススメします。
不動産の売買・相続登記などで気になることがございましたら
いつでもお気軽にお問合せください。
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スタッフ 丹羽