■死後事務委任契約とは■
死後における債務の弁済や葬儀、埋葬、その他の事務を委任することができる契約です。
・子供がいない
・親族が離れて暮らしている
・親族と疎遠になっている
・身近な親族が高齢で迷惑をかけたくない
方は、事前に委任契約を結んでおくと、ご自身がなくなった後、お手続きがスムーズに進む可能性が高いです。
■どのような事務を委任できるのか■
①葬儀、埋葬、火葬、年忌法要などの手続き
亡くなった際は、葬儀や埋葬、火葬が必要になってくるため、葬儀社への連絡をはじめ、葬儀内容や埋火葬許可申請などの手続きが必要となります。
予め委任しておくことで、手続きがスムーズに行えます。
②親族等関係者への連絡事務
親族が離れて暮らしていたり、疎遠だった場合は訃報が行き渡らず、亡くなったことに気づかなかったり、気づくのが遅くなってしまうことも考えられます。
委任することで、親族への連絡や伝言を遺したい場合には遺すこともできます。
③住まいや家財道具・生活用品に関して
家賃が発生している住居にお住いの場合、亡くなられた後に家賃が未納状態になってしまったり、家財道具や生活用品を整理する人がいなくなってしまい、空き家問題へとつながる恐れもございます。
自宅の明渡しや遺品整理等を、事前に死後事務委任契約で決めておくことでトラブルを防ぐことができます。
④各種サービスの支払い、解約等
生前に携帯電話や月極駐車場、施設の会員登録などを契約していた場合、支払いをする前に亡くなってしまうと、未払金が発生します。
未払金の支払いや加入していたサービスの解約手続きが必要となります。
こちらも委任契約をしておくと、解約手続きもスムーズに行うことができます。
等がございます。
死後事務が執行されるときには、委任者は死亡しており、意思確認を行うことができないため、可能な限り、明確に事務の範囲を定めておくことが大切になります。
■作成方法について■
形式に決まりはないため、どのような形式で作成してもよいですが、
委任者の死後に事務を執行することになるため、“委任者が自分の意思で作成をしたもの”である信憑性を高めるために、公正証書で作成することがオススメです。
また、公正証書以外で作成をする場合は、確定日付を付与することにより、争いを防止することにもつながります。
■注意点■
①親族の同意
葬儀や遺品整理、財産の帰属は相続人の専権事項となるため、相続人の意向に反する内容の場合には、トラブルになる恐れがあります。その為、親族がいる場合にはあらかじめ親族の同意を得ておくようにしましょう。
②遺言書の併用
死後事務委任契約は、葬儀・埋葬・未払金の精算など、死後の事務処理について代理手続きを委任するものであり、財産の帰属先を決定するものではありません。
そのため、財産の帰属や処分に関しては遺言書を用意するようにしましょう。
③執行費用等明確化
死後事務委任契約者の財産は、委任者が亡くなった時点で相続人へと帰属します。
その為、死後事務の執行費用の金額、管理方法、受領方法を明記しておきます。
例えば、「委任者は受任者に対し、本契約締結後、死後事務を処理するための費用及び報酬に充てるために、金●●円を預託する。」等の条項を設けておくことが必要です。
死後事務委任契約は、単独で締結することも可能ですが、任意後見契約とセットで締結される方もいらっしゃいます。
任意後見契約についても、またご紹介できればと思います☆
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スタッフ 丹羽