身近な人が亡くなったら。
想像したくないことですが、万一のときには悲しみに暮れる間もなく、様々な「期限」に気を配る必要があります。
最近、相続に関するルールが見直されています。
相続の3つの期限。
これらは決して知らなかった、では済まされません。
「10ヶ月以内」…相続税の申告と納税期限です。
2015年以降に税のルールが変更された後、対象となる人は増えています。
金融機関などとのやり取りに時間がかかり、普通の方が思うほど円滑に進まないことが多いので、間に合わせるのは意外に難しいです。遺産の分け方でもめればさらに時間がかかります。
遺産分割の話し合いが終わらなかった、などの事情で期限は延長されません。
期限を過ぎてしまった場合、延滞税、加算税がかかる場合もあります。早めに行動をしましょう。
意見がまとまらない時は法律が決める相続分(法定相続分)などで税を計算し、申告と納税を済ませる方法もあります。
「3年以内」…相続登記の期限です。
これまでは不動産を相続しても「登記はいつまでに」と決められていませんでしたが、2024年4月以降、ルールが改正されると3年以内の登記が義務となります。
正当な理由がないのに登記しないと10万円以下の過料の対象となります。
遺産分割協議が難航し、3年以内に登記することが難しくなることも予想されます。
こうした事態には、相続人申告登記という救済措置があります。
遺産の分け方が決まらなくても相続開始と自分が相続人であることを申し出れば、申請義務を履行したとみなされます。
※義務を履行した、と認められるのは申し出た人だけです。相続人全員ではないので気を付けましょう。
相続人申告登記のままでは、相続登記が完了したとは言えません。その後、遺産分割が成立した場合は、その日から再び3年以内に相続登記も義務になります。
「10年以内」…2023年4月1日から始まる、遺産分割協議に関する期限です。
遺産分割協議とは、遺言がない場合などに相続人が「遺産をどう分けるか」を話し合うことです。
新ルールは厳密には協議自体の期限ではなく、「10年を過ぎると原則、法定相続分遺産分割することになる」ということです。
通常、相続人の中で生前に多額の財産を贈与されていたり、介護などで被相続人(亡くなった方)へ特に大きな貢献をしたりした人がいる場合、それらを遺産の分け方に反映できます。法定相続分より公平な分割となる期待ができますが、新ルールでは10年以内に話し合いがまとまらないと、原則これを主張できなくなります。
協議の期限ではないので、10年経過後も相続人が改めて話し合い、全員が合意できれば法定相続分と異なる割合で分割できます。
実は遺産分割協議や相続登記の新ルールは昔の相続と無関係とは限りません。
ルール改正前に始まった相続でも一定の期限が設けられ対応が必要です。
相続登記に関して気になる点がございましたらいつでもお気軽にお問い合わせください。
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