2023年5月2日 11:18 am

相続欠格と推定相続人の廃除の大きな違いは被相続人の意思の有無です。

遺産相続のイラスト

相続欠格とは、

「被相続人の意思とは関係なく、法的に相続人としての権利を剥奪されている場合」

の事をいい、民法891条により下記の行為をした者は相続欠格に値すると定められています。

 

 

①故意に被相続人および先順位または同順位の相続人を殺害した、

 または殺害しようとして刑に処せられた

故意に、被相続人や自分より相続順位が先又は同順位にある相続人を死亡させた場合や殺人未遂の場合で、刑事裁判となって有罪判決を受けて刑罰を適用されたら相続欠格者となります。

 

②被相続人が殺害されたことを知りながら告発、告訴をしなかった場合

被相続人が殺害されたと知りつつ捜査機関へ告訴・告発しなかった場合は欠格事由となります。

 

③被相続人を騙したり脅したりして、遺言書の作成、撤回、取消、変更を妨げた場合

遺言者である被相続人を騙す・脅迫して遺言書の作成、撤回や取消、内容の変更を妨害すると相続欠格事由となります。

 

④被相続人を騙したり脅したりして、遺言書の作成、撤回、取消、変更をさせた場合

被相続人を騙す・脅迫して無理やり遺言書を作成させたり撤回・取り消しさせたり変更させたりすると相続欠格事由となります。

 

⑤遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した

遺言書を偽造・変造・破棄したり隠したりすると相続欠格事由となります。

 

このような行為をし、相続欠格となってしまった場合、相続人は当然に相続する資格を失います。

相続発生前に相続欠格者となると、相続発生後に相続できないのは勿論のこと

相続発生後に相続欠格者となった場合でも、相続時に遡って資格を失うため相続する資格が無くなります。

「法」と書かれた本のイラスト

 

推定相続人の廃除とは、「相続人の意思により相続人の相続権が喪失されている場合」

の事を言います。

 

相続人に著しい非行があるケースにおいて、被相続人が家庭裁判所に請求して相続人から相続資格を奪うことです。

殺人や遺言書の破棄などの重大な違法行為に及ばない場合でも、被相続人を虐待していた場合などには相続する資格を認めるべき場面ではありません。

そこで法律は、非行のある相続人については「被相続人の意思」により相続する資格を奪えることにしています。

推定相続人の廃除をされた場合、相続欠格と同様その相続人は相続する資格を失い、相続発生後も一切の遺産を受け取ることができません。

※しかし相続欠格とは異なり、推定相続人の廃除は取り消すことが可能です。

 

相続問題で悩まれている方はお気軽にご相談ください。

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