
前回のブログでは、中古住宅の住宅用家屋証明書についてご紹介させていただきました。
今回は、中古住宅の住宅用家屋証明書の取得要件
①「昭和57年1月1日以後に建築されたもの」
② 上記を除く建物は新耐震基準を満たす証明書がある
のうち、②に関して詳しくご紹介させていただきます。
日本は、地震大国といわれており、近年も大規模な地震が数多く発生しています。
地震に見舞われた際、住宅が倒壊すると、被害がさらに大きくなってしまいます。
そのため、建物を建築するうえで、「地震が発生した場合に備え、ある程度の揺れに耐えられるような建物にしましょう」という耐震基準が定められています。
大幅な耐震基準の見直しがされるきっかけとなった震災が、1978年(昭和53年)6月12日に発生した宮城県沖地震です。
この地震では、建物の全壊や半壊等、多くの被害が発生しました。
そのため、この震災から3年後の1981年(昭和56年)6月1日に耐震基準の見直しが行われ、建物を建築するうえで、「震度6強から7程度の大規模地震が起こった場合に、建物が倒壊することなく、人命や財産を守れる強さが望ましい」とする新たな耐震基準が施行されました。
建築基準法の耐震基準に関しては、その後に発生した、阪神淡路大震災、新潟中越地震を経て、改正が繰り返されています。
改正後、昭和56年5月31日以前までに建築確認申請を受けた建物は「旧耐震基準」、昭和56年6月1日以降の建築確認申請を受けた建物は「新耐震基準」と定められています。
基準となる日付に関しては、建築確認済証の発行日を確認していただく必要がございます。
■新耐震基準であることのメリット■
・住宅ローン控除
・登録免許税軽減
・不動産取得税軽減
等が挙げられます。
原則、上記の控除・軽減を受けられるのは、昭和56年6月1日以降に建築された建物(新耐震基準)とされていますが、昭和56年5月31日以前に建てられた建物(旧耐震基準)であったとしても、「新耐震基準」に適合する場合があります。
適合する場合には、上記の軽減・控除等を受けられる可能性があります。
■適合しているかの確認方法■
①一級建築士等へ依頼をし、建物の現地調査・耐震診断を行います。
②調査や診断の結果、新耐震基準に適合している建物であれば、「耐震基準適合証明書」が発行されます。
③証明書を使用し、減税や控除を受けることができます。
所有権移転登記や抵当権設定登記を行う場合、
登録免許税の軽減が適用されると、通常に比べて、登記費用を抑えていただけます。
しかし、控除や軽減を受けられるからといって、耐震基準適合証明書を必ず取得した方がいいという訳ではありません。
調査や診断を行うにあたっては、もちろん費用が発生してしまうため、物件によっては、耐震基準適合証明書を取得した結果、かえって費用の負担が増えてしまったという場合もございます。
そのため、耐震基準適合証明書の取得を考えられている方は、発生する費用についてよくご検討されたうえで、行うことをオススメします。
また、耐震基準適合証明書の発行にはお時間がかかる恐れがあるため、取得をご検討されている方は、お早めに依頼するようにしましょう。
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スタッフ 丹羽