前回ブログでの”遺言書の書き方の注意点”の続きとなりますが、今回は”良くない遺言の文例集”をご紹介していきたいと思います。
遺言書
1.家は長女〇〇に相続させる。
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆財産の特定が不十分であり、どこにある家なのか、土地も含むのかなど、第三者が見たときによくわかりません。
その為具体的な物件や土地の住所(登記事項に記載されている)を記入するとわかりやすいです。
遺言書
1.不動産は長女〇〇に任せる。
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆「任せる」だけだと意味が分からなくなってしまいます。
取得をさせる意味なのか、管理を任せるだけの意味なのかよくわからないため、具体的にどうしたいのかを記入することが大切です。
遺言書
1.妻〇〇の面倒を見ることを条件に、長女〇〇に土地と建物を相続させる。
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆条件として定めている「面倒をみること」の意味が曖昧になっています。
どの程度の面倒をみればよいのか、面倒を見ることができなかった場合は財産を戻さなければいけないのか、という点がはっきりしていないため
争いのもとになりかねない文章です。その為具体的にどのように面倒をみていけば良いのかを記入することで、残された方も困らないかもしれませんね!
遺言書
1.不動産は長女〇〇に相続させる。
しかし、この不動産を絶対に売ってはいけない。
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆売ってはいけないと決めつけることはできない為このような書き方はやめましょう!
遺言書
1.すべての不動産は長女〇〇に相続させる
令和4年12月(又は、令和4年12月吉日)
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆日にちが特定できない遺言は無効となってしまいます。
何年何月何日まできちんと書かなくては有効になりません。「吉日」という書き方も人や暦により異なる為、日にちの特定に関しては不十分となってしまいます。
「大安」なども同様に日にちの指定ができないため無効となってしまいます。
1.土地と建物は全て、長女〇〇に贈与する
〇〇 〇〇 印
☆冒頭に「遺言書」の文字や、氏名の頭に「遺言者」という文字が記入されておらず、内容に”贈与”とだけ記載があると
遺言書とはみなされず、生前贈与とみなされてしまう恐れがあります。
そうなってしまうと税金の問題が発生してしまうので必要な文言は入れるようにしましょう。
遺言書
1.私たちの財産は全て長女〇〇に相続させる
遺言者 〇〇 〇〇 印
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆遺言を連署で行うことはできないため、この遺言は無効となってしまいます。
遺言書
1.現金300万円を愛猫〇〇に遺贈する。
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆動物に遺贈することはできません。
その為、遺贈の目的が愛猫の今後の飼育やお世話の為であるのならば、今後面倒をみてもらえそうな人に次のような遺言を残すことがオススメです。
「愛猫〇〇の飼育をすることを条件として、長女〇〇に愛猫〇〇と現金300万円を遺贈する」
遺言書
1.遺産は全て次女の〇〇に相続させることとする。
2.長女の夫の〇〇さんには、長いこと私の看病をしてくれて凄く感謝しています。
私が死んで妻1人きりになった際には、妻が1人で何かと大変だと思うので、これからも妻のことをくれぐれもよろしくお願いします。
遺言者 〇〇 〇〇 印
☆2の部分に関しては「付言」といわれる文章です。
義父の看病で大変な思いをしたお婿さんに対してなんの見返りもないまま、更に妻の世話をしてほしいと願望だけを残すのはお婿さんにとって精神的な負担を与える
事になり、少々酷かもしれないためこの様な書き方はなるべく避けるようにしましょう。
次回は”遺言書を作成した後の注意点”についてご紹介させていただきたいと思います。
相続や遺言書に関してお困りごとがありましたらいつでもお気軽にご相談ください。
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スタッフ 丹羽