2024年1月25日 9:02 am

 

 

前回のブログでは、「疎遠になっている相続人がいる場合の対処法」に関してご紹介させていただきました。

 

 

◇疎遠になっている相続人がいる場合の対処法◇

 

 

今回は、

①相続人が遠方に住んでいる場合

②日本国籍で海外在住の相続人がいる場合

③海外国籍の相続人がいる場合

の対処法に関して、ご紹介させていただきます。

 

 


①相続人が遠方に住んでいる場合

 

 

 

(例)相続人が5人いるが、それぞれが異なる場所に住んでいて、遠方のため、簡単に会うことができない。

被相続人は、物件を複数所有していましたが、遺言書等は遺していなかったため、遺産分割協議書での相続登記が必要である。

 

弊社では、相続人の方が同居されている、又は近くに住んでいてすぐに会うことができる等の場合には、1枚の遺産分割協議書に全員でご署名・ご捺印をしていただく場合が多いです。

しかし、遠方に住んでいる相続人の方々に対して、1枚の遺産分割協議書に全員分のご署名・ご捺印をいただくとなると、

・全員分の書類が揃うまでに時間がかかる

・何度も郵送をする間に書類を破損するリスクがある

という懸念点がございます。

 

【対処法】

 

遠方にお住いの相続人がいらっしゃる場合、相続人の方ごとに書類の作成を行い、郵送します。

個々で、ご署名・ご捺印をしていただくことにより、上記(例)記載での懸念点を防ぐことができます。

相続人全員分の書類が揃い、不備がなければ法務局に登記申請を行います。

 

 


②日本国籍で海外在住の相続人がいる場合

 

 

 

相続手続きに必要な書類の中に、

相続人の

・現在戸籍

・印鑑証明書

・住民票

があります。

海外への滞在が1年未満であれば、印鑑証明書、住民票は問題なく取得することができますが、

海外への滞在が1年以上の場合は、「海外転出届」を市役所に提出する必要があります。

提出すると、住民票は除票扱いとなり、日本に住民登録がなければ、印鑑証明書を発行することもできません。

 

【対処法】

 

印鑑証明書の代わりとなるものが、署名(サイン)証明です。

署名証明とは、海外に在留している方の中で、日本に住民登録がない場合に、日本の印鑑証明に代わるものとして発給されるものです。

在外公館(大使館・領事館)に出向き、領事の面前で、申請者の署名(及び拇印)を行うことで証明します。

 

署名証明には形式が2つあります。

◇形式1◇

在外公館が発行する証明書と、申請者が領事の面前で署名(及び拇印)した私文書(例 相続のお手続きであれば“遺産分割協議書”)を綴り合わせて割印を行うもの。

◇形式2◇

申請者の署名を単独で証明するもの

 

証明を得ることで、相続、不動産の売買、銀行でのお手続き等が可能となります。

どちらの形式を使用するかは、提出先の意向によりますが、相続登記を行う場合には形式1が必要とされています。

 

 

住民票の代わりとなるものが、在留証明です。

在留証明とは、外国にお住まいの日本人が、どこに住所(生活の本拠)を有しているか又はどこに住所を有していたかを、その地を管轄する在外公館が証明するものです。

署名証明と同様、在外公館(大使館・領事館)で発行することができます。

※ 在留証明申請手続における、発給条件、必要書類、発給までに要する日数や開館日、申請受付時間は、国によって異なりますので

詳しくは証明を受けようとする在外公館に直接お問い合わせください。

 

 


 

③海外国籍の相続人がいる場合

 

 

 

【対処法】

 

宣誓供述書の作成です。

宣誓供述書とは、外国籍の方が、自分が相続人であること、記載されている内容が真実であること、住所、署名が本人で間違いないこと等を証明するものであり、

本国官憲のnotary public(日本でいう公証役場)で作成をする必要があります。

 

 

どのケースであっても、相続のお手続きには、通常よりもお時間がかかる場合がございます。

そのため、お急ぎの場合は、余裕をもってお手続きをしましょう。

 

 

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スタッフ 丹羽