2023年10月17日 4:31 pm

小規模宅地の特例とは、個人が相続や遺贈によって取得した宅地等のうち、一定の要件を満たした場合に関しては、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の減額を受ける事ができます。

 

 

 

■対象となる土地■

①特定事業用宅地等

②特定同族会社事業用宅地等

③特定居住用宅地等

④貸付事業用宅地等

のいずれかに該当するもの。

 

固定資産税のイラスト(土地)

 

【なぜ、この特例があるのか?】

相続が発生し、被相続人が事業の用・居住の用に供していた宅地等を相続した際に、その土地の相続税が高額になってしまい、相続税が支払えない。

そうなってしまうと、行っていた事業や、被相続人が住んでいた自宅等を売却しなくてはいけなくなる恐れがあります。

そうならない為に、相続税額を軽減させ、相続人に負担がかからないようにこの特例があります。

 


① 特定事業用宅地等

 

限度面積:400㎡

減額割合:80%

(相続開始が平成27年1月1日以降の場合)

「特定事業用宅地」とは、相続開始直前において、被相続人等の事業の用に供されていた宅地等の事を指します。

 

  不動産屋さんのイラスト(建物)  立体駐車場のイラスト(機械式)

 

 

【特定事業用宅地等の主な要件】

 

●「被相続人の賃貸事業の用に供されていた宅地」の場合

その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を、相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。

 

●「被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地」の場合

相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。

 

どちらも、相続税の申告期限までにその宅地を保有していなければいけません。

 

 


② 特定同族会社事業用宅地等

 

限度面積:400㎡

減額割合:80%

(相続開始が平成27年1月1日以降の場合)

「特定同族会社事業用宅地等」とは、相続開始直前から申告期限まで、被相続人及び被相続人の親族等が発行済株式総数等の50%超を有している法人の事業(貸付事業を除く)の用に供されていた宅地等の事を指します。

お店の建物のイラスト  工務店のイラスト

 

【特定同族会社事業用宅地等の主な要件】

 

●「一定の法人の事業の用に供されていた宅地等」の場合

相続税の申告期限において、その法人の役員であること。

 

相続税の申告期限までにその宅地等を有していなければいけません。

 

対象となる土地③④に関しては次回のブログでご紹介します。

 

①②のどちらに関しても、上記に記載させていただいている要件以外に、注意しなくてはいけない点もあります。

この特例をご検討されていらっしゃる方は、一度国税庁などにお問合せしてみてくださいね。