2023年10月11日 10:38 am

 

相続に対して十分な判断力を有していない未成年者や認知症の方が相続人になった場合、遺産分割協議を始めとする相続の手続きは、代理人が行う必要があります。

 

・未成年者の相続人がいる場合

立て肘をついてくつろぐ子供たちのイラスト

未成年者が相続人の場合、原則として、未成年者の法定代理人である親権者が代理人となって協議に参加します。

ただし、親権者が相続人となっている場合には、親権者と未成年者の相続人は利益相反となるため、親権者の代わりに、家庭裁判所に申し立てて「特別代理人」を選任する必要があります。

そして選任された特別代理人が、未成年者の相続人の代わりに遺産分割協議に参加することになります。

特別代理人に資格は必要なく、基本的には未成年者との関係や、利害関係の有無などを考慮して選ばれます。

特別代理人選任の申し立てができるのは、親権者、利害関係のある親族などで、

一般的には未成年の子供の叔父や叔母などの相続権がない親族、または弁護士や司法書士などが選任される事が多いです。

特別代理人は、どのような遺産分割協議をしてもいいということではなく、原則未成年者の法定相続分以上の利益が確保される範囲内で、家庭裁判所の承認のもと遺産分割協議に参加することが可能です。

 

・認知症などで判断力を欠いた相続人がいる場合

 

物忘れをしたお婆さんのイラスト(認知症)

相続人の中で認知症などにより、判断力を欠いた相続人がいる場合には成年後見人を選任する必要があります。

家庭裁判所へ申し立てを行い、裁判所に成年後見人を選任してもらいます。

通常、申し立てには誰が最も成年後見人にふさわしいのか、候補者を記入する欄があります。

相続の場合は遺産相続が絡んでくるため、身内が成年後見人になることが認められない場合もあります。

 

その様な場合には、利害関係のない弁護士・司法書士・社会福祉士など第三者の成年後見人が選出されます。また、選任された人が適切かどうかの判断は裁判所が行っています。

 

特別代理人や成年後見人などが行う遺産分割協議では、未成年者や判断力を欠いた相続人に対して法定相続分以下の遺産の分割を行った場合、特別な事情がある場合を除き、その遺産分割協議は認められにくいです。

また、故人が遺言書を遺し、「成年後見人のついた相続人に遺産は相続させない」との意志表示をしていたとしても、成年後見人は遺留分侵害額の請求を行う事ができます。

その為、未成年者や判断能力を欠いた人が、大きな不利益を被る心配が少なく、安心です。

 

 

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スタッフ 丹羽