2023年10月5日 3:45 pm

 

銀行は預金者が亡くなったことを知ると、その口座を凍結します。

銀行預金を相続する為には、故人の口座の凍結を解除し、預けているお金を使えるようにするための手続きが必要となります。

岩手銀行赤レンガ館のイラスト

~お手続きの流れ~

①預金通帳や郵便物に記載されている金融機関に連絡をする

まずは、金融機関に連絡をする必要があります。

その際に取引の内容や、相続のケースに応じて具体的な手続きの案内がされます。

凍結されてしまうと、預金の預け入れ・引き出し・預金口座からの引き落としが制限されるため、公共料金などの定期的な引き落としの予定がある場合には、早めに変更手続きを行う事をオススメしています。

しかし、葬式費用や未払いの入院費、そして故人に養われていた人の生活費などは、故人の死後すぐに必要となります。

そういった事情を考慮し、2019年7月から、凍結中の口座であっても、相続人であれば他の相続人の合意がなくても預金を引き出すことが可能となります。

 

口座凍結後の引き出しできる預金額は、

相続開始時の預金額×1/3×法定相続分です。

ただし、上限150万円までです。

※「法定相続分」とは民法で定められている相続できる割合のことです。

 

 

預金通帳のイラスト

 

②口座照会や残高証明を請求する

故人の通帳や郵便物などが遺されている場合は内容を確認し、口座の残高を確認します。

通帳などが紛失していて、預金を確認する必要がある場合には、必要に応じて故人が保有していた口座の金融機関へ、残高の開示請求をします。

現金は相続財産として計上されるので、残高証明を開示することで財産の具体的な金額を把握することが可能となります。

 

③相続人全員が相続届や遺産分割協議書に署名をし、預金口座を解約する

相続手続きを行う段階になったら、金融機関に求められた書類を集めて提出します。

提出する書類は、遺言の有無や各金融機関によって異なりますので、故人の方が使用していた金融機関にお問い合わせをしてみてください。

一般的には、被相続人の出生~死亡の戸籍謄本・手続きを行う方の本人確認書類・通帳・キャッシュカードなどが必要です。

遺言がある場合には、遺言書と検認済みの証明書、遺言書が無い場合には、相続人全員の印鑑証明書や遺産分割協議書などの提出が求められる場合もあります。

預金口座から払い戻しを受けるためには、遺産分割協議が完了していることが原則となりますが、遺産分割協議がスムーズにできない場合には、遺産の一部(預金口座)のみを遺産分割協議することも可能です。

 

 

口座の凍結解除の期間

預貯金債権は、銀行については5年間、信用金庫や信用組合については10年間(民法改正施行日の2020年4月1日以降に生じた債権は5年間)で消滅時効が完成します。

実際にはこれらの時効が過ぎたとしても、払い戻しに応じてくれる銀行がほとんどのようですが、相続が発生した際には相続人が速やかにお手続きをすることをオススメしています。

 

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スタッフ 丹羽