2023年2月21日 12:47 pm

Q6 自分は相続で所有権を取得して、手放したいんだけど、共有者がいる……

 

土地が共有の場合は、共有者全員での申請が必要となります。
共有者のうち1名でも相続で取得した人がいるのであれば、他の共有者が贈与や売買で所有権を得ていても、この制度の申請が可能です。また共有者が法人でも可能です。

 

 

Q7 どういう手続きの流れになるの?

 

① 事前相談
国が引き取ることができる土地に該当するか、必要な書類はなにか等、法務局の担当者が事前に相談に応じてくれます(※事前予約制です)。
ご相談先は、原則「その土地を管轄する法務局の本局」になりますが、遠方の場合はお住いのお近くの法務局(本局)にも相談が可能です。

 

② 申請書の作成・提出、審査手数料の支払い
申請書を作成し、その土地を管轄する法務局(本局)の窓口に提出します。郵送での申請も可能です。審査手数料は、このタイミングで支払います(収入印紙を購入して申請書に貼付)。 ※提出前に法務局への連絡が必要です。

 

③ 法務局担当官による書面審査⇒実地調
担当官による書面審査が行われます。要件に該当しない場合は、ここで「却下」となります。
「却下」とならなかった場合は、担当官による実地調査が行われます。案内がないとその土地にたどり着けないなどの事情がある場合は、申請者が同行することもあります。

 

④ 承認⇒負担金の納付
上記③の調査の結果、「承認」か「不承認」かの結果が申請者に通知されます。
帰属が承認された場合、申請者は通知に記載されている負担金額を、通知受領から30日以内に納付します。期限までに納付できなかった場合は、申請書提出からやり直しになります。

 

⑤ 国庫帰属
申請者が負担金を納付した時点で、土地の所有権が国に移転します。
所有権移転の登記は国が実施してくれます。
国庫に帰属した土地は、国が管理・処分することになります。

 

※申請してから結果が出るまでは、半年から1年程度と見込まれています。

 

 

Q8 引き取ってもらえない土地って、どういう土地?

(1)申請ができない土地(書面調査の段階で直ちに「却下」となる土地)
✕ 建物が建っている土地
✕ 担保権または使用収益を目的とする権利が設定されている土地
✕ 通路その他の他人による使用が予定される土地として①~④が含まれる土地
①通路として使用されている土地  ②墓地内の土地
③境内地      ④水道用地、用悪水路、ため池として使用されている土地
✕ 特定有害物質により汚染されている土地
✕ 境界が明らかでない、所有権等について争いがある土地

 

(2)帰属の承認ができない土地(審査の結果、最終的に「不承認」となる土地)
✕ 崖がある土地で、管理に過分の費用または労力を要するもの
✕ 土地上に工作物、車両、樹木その他の有体物が地上にある土地
✕ 土地の管理・処分のために除去が必要な有体物が地下にある土地(古い水道管、井戸等)
✕ 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ、管理・処分ができない土地
✕ 通常の管理・処分をするのに、過分の費用・労力が必要となる土地(土砂崩れの恐れがある、スズメバチやヒグマが出る、国による整備が必要な森林……等)

 

その他にも細かい決まりがあり、事前の確認が重要です。

 

 

その③に続きます

前記事『相続土地国庫帰属制度』について~その①はこちら