2023年12月12日 1:12 pm

 

 

 

■戸籍について■

戸籍は、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので、日本国民について編製され、日本国籍をも公証する唯一の制度です。

 

各市区町村の役所が「戸籍簿」というものを管理しており、「戸籍簿」にはその自治体内に本籍を有する国民の「氏名・本籍・生年月日・配偶者と親子関係に関連する事柄」等が記録されています。

 

 

■戸籍謄本・除籍謄本とは■

何かの手続きで「戸籍が必要」となったときに役所で交付してもらうのは、この「戸籍簿」の写しで、

・戸籍謄本…戸籍に記載されているすべて(家族全員)の事項の写し

・戸籍抄本…戸籍に記載されている一部(必要な方だけ)の事項の写し

となります。

「戸籍謄本」という名前は聞いたことがあるという方も多いかと思います。

 

相続手続のときに必要な書類のひとつに「除籍謄本」がありますが、これは結婚・離婚・死亡・転籍などによって誰もいなくなった状態の戸籍の写しのことです。

戸籍は、結婚や養子縁組、転籍などで移動するため、「出生から死亡までの戸籍」を集めるとなると、大半の方は複数の戸籍謄本や除籍謄本が必要となります。

 

 

■戸籍証明書とは■

戸籍は、昔は縦書きで手書きのものでしたが、平成6年以降順次コンピュータ化されております。コンピュータ化に伴い、正式名称も戸籍謄本を「全部事項証明」、戸籍抄本を「個人事項証明」などと言うようになりましたが、戸籍簿がコンピュータの記録になっただけで基本的には同じです。

慣例としてコンピュータ化後の証明書についても「戸籍謄本」「除籍謄本」などと呼ぶことが多いです。

「戸籍証明書」とは、コンピュータ化前後に関係なく、戸籍謄本・除籍謄本など戸籍に関する証明書の総称のことを指します。

 

 

■現在の戸籍証明書の取得方法■

現在は、

① 本籍地のある役所に本人が出向いて請求する

② 本籍地のある役所に郵送で請求する

③ 本籍地のある役所に本人の代わりに代理人が出向いて請求する

方法で、戸籍証明書の取得が可能です。

 

他にも、

④ マイナンバーカードか住民基本台帳カードの所有者は、全国のコンビニエンスストアで発行可能

ですが、本籍地のある市区町村がコンビニエンスストアでの証明書交付に対応していない場合は発行することはできません。

 

■現状の問題点と新システムの導入■

現状の問題点としては、

・戸籍謄本等の請求は、本籍地のある役所に限られる

・社会保障手続きの際に、身分関係確認のための戸籍謄本等の添付が必要

・本籍地以外の役所で婚姻届等の戸籍の届出をする際に、戸籍謄本等の添付が必要

などの不便な点がありました。

 

平成6年以降、全国の自治体でコンピュータ化され、予備となる「副本データ」はその地域の管轄法務局で管理されていました。しかし、東日本大震災を契機に、地域の役所と法務局が同時に被災するようなリスクを避ける必要があるとして、平成25年に法務省が副本データを管理するシステムを構築しました。

 

この「副本データ管理システム」を活用・発展させることで、上記の問題点を解決できるようになったのが、来年3月から施行される「改正戸籍法」です。

そのメリット等については、コチラの記事でご紹介いたします。

 

~改製戸籍法の施行について~