2024年4月30日 9:00 am

 

総務省統計局による住宅・土地統計調査のデータによると、平成30年度時点での空き家件数は848万9千戸と過去最多となり、全国の住宅の13.6%を占めているそうです。

空き家が増加していく問題としては、人口減少過疎化、遺産を相続しない「相続放棄」が原因と考えらています。

 

2022年、全国の家庭裁判所では過去最多の26万497件の相続放棄が受理されたそうです。

相続放棄をする背景には「借金」、「土地や家屋の維持や固定資産税の負担を嫌う」等の理由が考えられます。

 


相続放棄とは◆

 

被相続人の財産に対する相続権の一切を放棄することを指します。

放棄の対象となるのは被相続人の全ての財産であり、預貯金や不動産などのプラスの財産だけではなく負債などのマイナスの財産も含まれるため、相続放棄を選択した場合には、いずれも相続人が承継することはありません。

相続放棄を希望する際は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に必要な書類を提出することで可能となります。

 

 


 

 

空き家の原因と問題点◆

 

「相続したが住むことができない」等の理由で空き家となるケースや、

「相続しても住む人がいない、固定資産税が支払えない」等の理由から、相続人全員が 相続放棄 をしてしまい空き家が増えてしまうケースがあります。

 

空き家には、

  • 老朽化による倒壊のリスク
  • 不法侵入や盗難などの犯罪リスク
  • 景観の悪化

等が問題点として考えられます。

 

「遠方に住んでいる」「体が不自由で思うように動けない」等の理由から、空き家の管理を行えない方や管理ができないため 相続放棄 を選択する方もいらっしゃると思います。

その場合は、まず空き家の処分について検討してみるのもいいかもしれません。

 

 


 

 

空き家の処分について◆

 

空き家を処分する方法のひとつに「空き家バンク」というものがあります。

「全国版空き家・空き地バンク」は、各自治体が把握・提供している空き家等の情報について、自治体を横断して簡単に検索できるようになっていて、

平成30年4月から本格運されています。

建設産業・不動産業:空き家・空き地バンク総合情報ページ – 国土交通省 (mlit.go.jp)

所有者が空き家を登録し、利用希望者が閲覧して希望に合う物件を見つけられることで、空き家の件数を減らす目的があります。

所有者のメリットとしては、

➀無料で気軽に掲載できる

②運営は自治体が行っているため安心して使用できる

③資産価値に関わらず掲載することができる

④補助金・助成金が用意されている場合がある

等があります。

※相続放棄をした場合、この制度を使用することはできませんのでご注意ください。

 


 

空き地の処分について◆

 

空き家のみではなく空き地に関しても、放置したままでは荒地になってしまい、近隣トラブルになる恐れもあります。

土地の処分に関しては「相続土地国庫帰属制度」が、令和5(2023)年4月27日にスタートしました。

この制度は、「相続したものの利用する予定がない土地」や「相続したものの買い手がつかない土地」を国が引き取ってくれるという制度です。

※相続放棄をした場合、この制度を使用することはできませんのでご注意ください。

 

 

【ポイント】

➀ 申請者がお金を払って、所有する土地を国にひきとってもらう制度

② 相続により取得した土地に限る

③ どんな土地でも引き取ってもらえるわけではなく、様々な条件がある

 

以前のブログにて 「相続土地国庫帰属制度」についてご紹介させていただいて

おりますので、併せてご覧ください。

 

『相続土地国庫帰属制度』について~その①

 

『相続土地国庫帰属制度』について~その②

 

『相続土地国庫帰属制度』について~その③

 

 


 

 

空き家、空き地を処分する場合には、まず相続登記が必要となります。

令和6年4月1日から“相続登記の義務化”が開始されているため、相続登記がまだお済でない方は早めに行うようにしましょう。

 

空き家に関してお困りの方は、空き家専門の業者を紹介することが可能です。

また、「相続土地国庫帰属制度」の利用をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

(※司法書士は、申請書の書類作成を代行することが認められています。)

 

豊田市で司法書士をお探しなら

司法書士スパークル総合法務事務所へどうぞ

 

スタッフ 丹羽